日本の半導体関連企業は、実は世界の半導体市場を影で支えています。
日本には、半導体の材料となるウエハーや、半導体の製造工程で必要になる機械類の分野でトップクラスの世界シェアを持つ企業が多数存在しています。
「日本は半導体市場に乗り遅れた」とか、「日本の半導体業界は衰退した」というような情報が多く出回っています。
しかしそんなことはなく、日本企業は世界の半導体市場に不可欠な存在であるということをお伝えします。
目次
半導体の材料となるウエハーの世界シェア
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半導体はウエハーと呼ばれる金属の板に電子回路を構築することで作られています。
ウエハーには様々な材料が使われますが、その中でもシリコン製のウエハーが最も多く使われています。
そのシリコンウエハーで一位の世界シェアを持つのは日本の信越化学です。
また、二位のSUMCOも日本企業であるため、世界シェアの50%以上は日本企業でおさえています。
ウエハーは半導体を作るのに必要不可欠なものですので、半導体市場の成長とともにこれらの企業も成長することでしょう。
マスク欠陥検査装置で100%のシェアを持つレーザーテック
まず、マスクというのは、ウエハーに回路を写すための金型のようなものです。
そのマスクに欠陥がないかどうかを検査するための装置の分野を独占している日本企業がレーザーテックです。
比較的小さな市場ではありますが、必要不可欠なものであり、市場の小ささからほかの企業は参入することにあまりうまみを感じないと考えられるため、市場の隙間にうまくハマった企業だと思います。
このマスク欠陥検査装置に対する需要も半導体の需要の拡大に伴って成長していくと考えられます。
ダイシング機器で世界シェア70%を持つディスコ
一枚のウエハーから複数の半導体がつくられます。
回路を構築したウエハーをカットする工程をダイシングといいます。
イメージとしては、板チョコをひとかけらずつバラバラにする感じです。
そのダイシングを行う装置の世界シェア70%をおさえる日本企業がディスコです。
ディスコのダイシング装置は非常に正確にカットすることができ、0.001 mm単位で調整することができます。
ダイシングも半導体製造に必要不可欠な工程ですので、ダイシング装置の需要も半導体市場の拡大に伴って成長していくでしょう。
ほかにも多くの企業がトップシェアを持っている
一言で半導体を製造するといっても、完成するまで多くの工程が存在します。
それぞれの工程で必要な材料や装置の分野で多くの日本企業がトップシェアを持っています。


日本企業は半導体製造の分野で大きな存在感を放っています。
日本は半導体市場に乗り遅れたや、衰退しているというのは間違った認識です。
日本経済は終わってない
半導体分野以外でも、世界的に重要な日本企業はたくさん存在しており、日本経済はまだまだ成長できます。
日本経済に対する過度に否定的な情報があふれていますが、事実をしっかり把握し、そういった情報に対して必要以上に過剰な反応をしないようにしましょう。
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