損益計算書を使った収益性分析方法!

株式投資

投資をする際、投資先の企業の財務状況や収益性を分析することは必要不可欠ですよね。(あなたが”投資家”またはそれを目指す者であれば)

この記事では、財務諸表と呼ばれる3つの資料(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)のうちの1つである損益計算書から企業を分析する方法をお伝えします。

損益計算書とは企業の収益性を表したものです。

企業の資金効率と成長性を読み取ることができます。

目次

財務諸表の入手方法

財務諸表は決算短信のなかで年に4回発表されます。

ここでは(7203)トヨタ自動車を例に説明します。

1.検索欄に「トヨタ自動車 IR」と入力

IRとはInvestor Relationsの頭文字で、投資家に対する情報のことです。

2.トヨタ自動車のページの決算報告をクリック

3.決算要旨をクリック

決算短信のことです。企業によって呼び方は多少違ったりしますが基本的な内容はおなじです。

損益計算書で抑えるべき基本の項目

見つけることはできたでしょうか?その資料の中に、「損益計算書および~~~」というページがあると思います。左側が前年度で右側が今年度のデータになっています。

損益計算書には様々な数字が羅列されていますが、基本的にみるべきなのは限られています。

売上高

売上とは、営業を通して企業にはいってくる収益の合計です。

画像の営業収益合計の欄がそれにあたります。

売上原価

売上原価とはざっくりいうと材料費のことです。

トヨタ自動車の場合、製造業ですので、人件費、光熱費などもここに含まれます。

売上総利益

トヨタ自動車の損益計算書には載っていませんが、重要な項目です。

売上総利益とは、粗利も呼ばれ、売上高から売上原価を引いたものになります。

売上総利益 = 売上高 - 売上原価

トヨタ自動車の場合、今年度の売上が17,709,348で売上原価が14,049,248ですので、売上総利益は3,660,100ということになります。

販売費および一般管理費

販売費及び一般管理費は広告や営業などによる、製造以外からの支出のことです。

営業利益

営業利益は売上高から売上原価と販売費及び一般管理費を引いたものです。

営業利益 = 売上 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費

基本項目を使った分析方法

これで基本的な項目は抑えることができましたが、それぞれ単体では企業の分析をするときになんの役にもたちません。ここからは基本的な分析方法を重要な順にお伝えします。

営業利益率

営業利益率とは、営業利益の売上高に対する割合のことです。

営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100

この割合が高いほど効率よく稼いでいるということになります。

トヨタ自動車の場合、6.44%ということになります。

同業他社である(7267)本田技研工業は5.6%なので、「HONDAよりも効率よく利益を上げているのか?」と考えることができます。

売上総利益に対する販管費率(粗利販管費率とする)

名称は特に聞いたことはありませんが私が重要と考えているのは、売上総利益に対する販売費及び一般費の割合です。

売上高販管費率 = 販管費 ÷ 売上総利益 × 100

この割合が低いほど、業務が効率化されているということになります。

トヨタ自動車の場合、45.72%となります。

本田技研の場合、47.15%となるので、「ほぼ同じくらいの効率性なのかな?」と考えることができます。

比較して考えることが重要!!

これであなたは、営業利益率と粗利販管費率という武器を手に入れました。

しかし、トヨタ自動車の今年度だけの数値だけではまだ分析が甘いです。最低でも過去10年間の推移をみる必要があります。

トヨタの2000年からの営業利益率の推移。リーマンショック直後を除き、5%から10%の間で推移していることがわかる。

それに加えて、ホンダやスズキ、スバルなどの同業他社との比較をする必要もあるでしょう。

それ以前に自動車業界の今後の成長性を分析する必要もあるかもしれません。

投資において手法よりも大切なこと

今回は、損益計算書を用いた企業分析の方法をお伝えしました。

分析から得た情報だけでなく、そこから仮説をたてたり、疑問をもち、さらに深堀していくことが投資において最も重要と私は考えます。

なぜ業界は低迷しているのにその企業だけは伸びているのか?

同業他社と何が違うのか?

というようなことを分析を通して理解することが、永久に成長し続ける企業を見つけることにつながるのだと思います。

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