個別株投資において重要なことは、良い企業を買うことと、その株を割安もしくは適正価格で買うことです。
株価というのは企業価値におおよそ連動しているため、企業価値よりも割高な水準で買ってしまうと、購入時の株価に企業価値が追いつくまで何年もかかってしまうことがあります。
企業価値よりも割安な水準で買うことができれば、企業価値の増大による恩恵を大きく受けることができます。また、含み損が出てしまってもそれは一時的なもので済むでしょう。
この記事では、バリュー投資における銘柄の選び方と買うタイミングの判断方法についてお伝えします。
目次
バリュー投資の基本的な考え方
株というのは、一つの企業を細かく分けたものです。
企業の株を買うということは、その企業自体を買うということです。
当然のことだと思うかもしれませんが、わかっていない人が非常に多いです。
一株当たり純資産(BPS)よりも安い株価で買うとそれだけで得をする
一株当たりの純資産(BPS)よりも安い株価で買えば、あなたはその差額分だけ得をします。なぜなら、その株を買うことで純資産の一部があなたの物になるからです。
BPSが1000円の株を800円で買ったとしたら、買った時点で200円分得をしています。
この200円というのは評価額にはなにも影響がありませんし、その200円を使って買い物をすることはできません。そのため、利益を得たという実感は皆無でしょう。
しかし、この取引は800円で1000円を買っていることと同義であるため、価値という観点で見れば確実に得をしています。
支払う金額よりも価値が高いものを買うことがバリュー投資の基本的な考え方です。
一株当たり純利益(EPS)はあなたが本来受け取るべき利益
一株当たり純利益(EPS)は本来はオーナーである、あなたの利益です。
5000円で買った株のEPSが1000円だったとしたら、あなたの本来受け取るべき利益は20%ということになります。
そのうちの数%は配当としてあなたに還元されますが、残りは何に使われるのでしょうか。
企業は成長していくために設備投資や研究開発費が必要です。そしてそれは、利益の中から支払われます。
これは、あなたが受け取るべき利益を企業が運用していると捉えることができます。
数年にわたって長期保有することによって、受け取るべき利益の一部を再投資し続けることになりますから、あなたの保有する株の価値は複利で増えていきます。
設備投資や研究開発によってより大きな利益生み出すことができれば、企業価値が増大し、株価に反映されるでしょう。
そのようなプロセスを経て、あなたはキャピタルゲインを通じて利益を得ることができます。
PERとPBRが低い銘柄を狙え
PERが10倍の株であれば、株価に対するEPSは10%となり、PERが5倍なら、株価に対するEPSは20%となります。
PERが低ければ低いほど投資資金に対する受け取るべき利益がふえることになります。
また、PBRが1倍以下であれば買うだけで得をします。
割安という理由だけで投資するのは危険
割安になっているということは、人気がないということです。
人気がないのには、それなりに理由があります。
企業の人気を左右する大きな要因は業績です。
赤字を出し続けている企業は企業価値が落ち続けますから、現在割安でも、将来的には購入時の株価が適正価格になってしまいます。
バリュー投資においても、成長している企業を買うということは大前提です。
成長を続けている優良企業を探す
割安かどうかを判断するまえに、その企業が投資に値する企業かどうかを判断しましょう。
企業分析のチェック項目
- 過去10年間の売上と営業利益が右肩上がりに成長している
- 自己資本比率が適切な水準
- 収益率が高い
- 今後も収益を生み出すことができるビジネスモデルである
- 競合に対して優位性がある
- 市場規模が大きい、成長している
最低でも以上の基準を満たす企業に投資することをおすすめします。
業績が伸びているのに株価が落ちている企業を狙う
長期にわたって業績が伸びているのにもかかわらず、株価が大きく落ちることがあります。
- リーマンショック、コロナショック、オイルショックなどのショック相場により、企業価値を無視した売りが入る
- 景気後退期(リセッション)により株式市場全体が落ちる
- 政策金利が上がる
思いつく原因をいくつか挙げましたが、その都度様々な理由で株価が変動します。
企業自体が原因ではなく、外的要因によって下落している場合、それは私たちにとって絶好の買い場になります。
成長する優良企業を割安な水準で買い長期保有する
長期的に成長する企業を割安で購入することができれば、あとは長期的にわたって保有し続けるだけです。
企業の成長とともに、株価と配当から大きな利益を得ることになるでしょう。
優良企業が割安なのであれば集中投資すべき
優良企業というのは、割安で放置されることはほとんどありません。
そのため、もし割安な水準で優良企業を買うことができるときは、ある程度大きな資金を投資するべきだと考えます。
また、優良企業でかつ成長しているのであればほとんど損失のリスクはないはずです。
長期的にはいずれ成長していくのですから、保有し続ければ利益を得ることができます。
少なくとも、そう確信できるレベルまで対象の企業について分析すべきですし、確信できないのなら投資すべきではありません。
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