前回の記事で、複利を利かせるためには、高いROEを維持している企業に投資することが大切という話を軽くしました。
しかし、ただROEが高ければいいというものではありません。ROEが高くてもそれを維持していかなければいけないのです。
堅実な投資をするには、安定性と収益性を両立した企業を探すことが不可欠です。
この記事では、企業の安定性を判断する方法をお伝えしようと思います。
目次
総資産の構成と事業の基本
企業の総資産というのは、自己資本と他人資本で構成されます。
自己資本は、返済の必要がない、企業自身が持つ資本のことです。前年度の利益や、株式発行によって集めた金もこれに含まれます。
それに対して他人資本は、返済する必要がある資本のことです。銀行からの借金が一番わかりやすいでしょう。
基本的に事業というのは、総資産が多ければ多いほど、それに応じて利益が多くなる傾向があります。
そのため、営業利益率、自己資本利益率、株価収益率など、パーセントを使って分析することによって、規模が違う様々な企業を同じ条件で比較することが可能になるのです。
自己資本比率が低いとROEは高くなりやすい。
まず、ROEとは自己資本利益率、つまり、自己資本に対する利益の割合のことです。式に表すと、
ROE = 純利益 ÷ 自己資本 × 100
となります。
先ほど述べた通り、総資産が多ければ利益が多くなるので、借金をしまくって総資産を増やせばそれだけ利益は多くなります。上記の式の純利益の数字が大きくなると、ROEは高くなりますよね。
このように、ROEだけで判断すると借金だらけの企業を買ってしまうことになりかねません。
自己資本比率とは
それを避けるために使うのが自己資本比率です。自己資本比率というのは、総資産に対する自己資本の割合です。式に表すと、
自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産 × 100
となります。
自己資本比率のパーセントが高いほど借金が少ないということになります。
参考として私の投資基準をお伝えすると、自己資本比率が過去10年間にわたって50%以上をキープしている企業を選ぶことにしています。
収益を永久に生み出し続けるには、資本という土台が大切
私たちが投資すべき企業というのは、永久に成長し続ける企業です。
そして、永久的成長にはその土台となる資本の管理がとても重要です。
みなさんは結婚する相手を選ぶとき、借金だらけで返済に追われている人と、しっかり貯金しながらローンを適切に管理している人、どちらを選びますか?答えは明らかに後者ですよね。(愛だけで判断する人を除けば)
企業に投資する際も、結婚相手を選ぶ時と同じプロセスで考えるとうまく判断できるのではないでしょうか。

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